東京都で相続税課税割合が20%を超えるのは8区(港区は除く)
不動産ランキング
相続税の基礎控除額が4割減額されたのが平成27年1月1日のこと、早いもので丸3年が経過しました。
それ以前の基礎控除額は(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)でしたが、平成27年1月1日以降は(3,000万円+600万円×法定相続人の数)となりましたので、法定相続人が配偶者と子供2人の場合、
平成26年12月31日以前の基礎控除額は8,000万円、
平成27年1月1日以降の基礎控除額は4,800万円、
この差はかなり大きなものです。
冒頭の表は東京23区で相続税課税割合が20%を超える区をまとめたものですが、
(相続税課税割合が20%=相続発生時に10人中2人に相続税が課税される)
基礎控除額が減額されたその年の課税割合が急増してることが分かります。
課税割合が最も高いのが千代田区で37.3%、なんと100人中37人に相続税が課税されるということです。
(ちなみに相続税課税割合の全国平均は平成26年:7.5% → 平成27年:12.7%)
冒頭の表を見ても明らかですが、“不動産価格の高いエリアの相続税課税割合は高くなる” ということになります。
相続税の問題が一部の富裕層の問題から一般化してきていることがこの表を見ても分かりますが、相続が発生した際に相続人の間でトラブルになるのは “相続財産の殆どが都心にある自宅不動産” というケースが最も多いのが現実です。
都心の実家に長男夫婦が同居していたが突然お父さんが他界し相続が発生、長男は相続発生後も自宅として相続財産である実家に住むことを希望しているが、同じ相続分を持つ弟・妹が「私にも法定相続分の財産を相続させろ」となり、遺産分割協議が相続発生から10ヶ月以内に成立しない、しかし実家の評価額は基礎控除額を大幅に超えるため相続税が課税され、弟・妹からは実家を売却するように迫られる…
典型的な相続トラブルのパターンです。
上記のようなトラブルに発展しないために、お父さんが生前に取れた対策は
・長男に実家を相続させる旨の遺言書を公正証書で作成しておく
・長男を受取人とする生命保険に加入し(「500万円×法定相続人の数」までは相続税非課税)、弟、妹へ遺留分を現金で支払えるようにする
こんなところでしょうか…
相続が発生してからでは取れる対策もほとんど無くなります。
人間、自分が死んだ後のことは考えたくないものかもしれませんが、残った家族で円満相続を行えるようにするためにも、元気なうちの備えが肝心。
様々な専門家がいる中で、不動産コンサルタントが担うべき役割は今後益々大きくなって欲しいいくでしょう。