「青地」に要注意



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1月27日(月)、知り合いの業者さんからご紹介いただいた売地を下見して参りました。

整形地で6mの公道と2m前後の私道に面する角地、建ぺい率80%、容積率300%の近隣商業地域、まさにアパートを建てるための土地で、現地を見ていてワクワクしてしまいました。

仕入を検討するうえで、公図等を取得し、接道状況等を確認したのですが…

北側道路に関しては、私道で現況は区が道路中心線を決めており、あとはその中心線から2mセットバックして道路を4mに拡幅すればいいだけです。

東側の公道を公図で確認したときに、区道が公図上で何筆かに分かれているのが気になりました。
(公図上では公道部分には地番が付されておらず、無地番地になっているケースが一般的です。)

駅から現地にたどり着くまでの道のりがこちら。

このような遊歩道は、昔は川や水路だったところが塞がれて歩道になっている場合がほとんどで、怪しいな…と思い、役所等で調査をしたところ…

やはり、対象土地と東側公道との間に「青地」が存在しました!

「青地」とは国有地であり、もともと水路や河川敷であった土地のこと。本来は国有地であるから一般の宅地にはならないが、長い年月のうちに水路等が事実上廃止されてしまい、青地を含む敷地に住宅が建っていることも少なくない。

現地をパッと見では分かりませんが、対象土地と東側公道との間に青地(国有地)が挟まれているため、この土地は厳密には東側公道に面していないことになります。

おそらく、水色で囲った部分が青地部分に該当か?

北側私道の接道だけでも建物は建てられますが、それだとこの土地のポテンシャルは台無しです。

2方向接道のメリットを最大限に生かすためには、この「青地」の払い下げを受ける必要があります。

その場合の手続きで発生するコストが結構大変で…

①測量手続きを行い、青地(国有地)部分の確定、東側区道との境界確定、隣地との境界確定が必要
 ➔所要期間4~5ヶ月、費用約100万円

②財務省に青地の払い下げ手続き申請
 ➔所要期間2~3ヶ月、費用も数百万円

③財務省との青地売買契約、登記移転
 ➔所要期間約1ヶ月

「青地」の払い下げを受けるのに、
期間で半年~8ヶ月、
費用で500万円近い費用が掛かります。

今回の土地の売主様は一般個人の方ですので、この土地を売却するのにこれだけの手間と費用を掛けるのは相当大変、

では買う側がこの手続きを行うとなると、不動産取引に精通した専門家でないと、なかなかこれだけの手間とコストを掛けることは難しくなります。
購入した後でこの手続きを行う場合、万が一「青地」の払い下げが出来なければ、大きなリスクを負うことになります。
(手間と費用を掛ければ、まず出来ないことは無いはずですが…)

こういった場面で、我々のような不動産業者が一旦この土地を買い取り、国有地払い下げの手続きを行った後に一般のお客様に安心して購入いただける商品に仕上げる、という役割を担います。

さて、この土地も上手くいけば、半年後くらいに新築アパート水面下情報としてご紹介できるようになることと思います。
ご期待ください。

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