遺産分割から住居を除く



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 本日の日経新聞朝刊の一面に
“遺産分割から住居除く”
という記事が掲載されていました。

今回発表された試案では “配偶者に贈与された住居は遺産分割の対象にしない” となっており、これは一定の効果はあると思います。

平成27年1月1日から相続税の基礎控除が60%に減額され、特に都心の一等地に住宅を持つ人にとって相続税の問題はより身近なものになりました。

住居以外の財産が少なければ、納税・遺産分割のために住居を売却しなければならない、というケースは実際に多くあり、配偶者の居住環境を制度で確保しやすくするという点では必要な見直しだと思います。

しかし、実際にトラブルになっているのは一次相続のときではなく二次相続のときであるケースが多いため、制度見直しによる効果も限定的のようにも感じます。

例えば、トラブルになるのはこんなケース

都心の一戸建てにご両親と長男夫婦が同居していたところ、お父様がお亡くなりになり一次相続発生(相続人は配偶者、長男、次男、三男の4人)

→遺産分割では配偶者控除を利用して住居はお母様に相続させる。

→数年後、お母様がお亡くなりになり(二次相続発生)、お母様の財産は長男と同居している自宅のみだが、相続人である次男、三男が自宅を売却し、自分の相続分の遺産分割を要求、長男は住まいを失うため、この時点で兄弟間の泥沼の争続が始まる。
(「争続」→兄弟間等で泥沼の争いが発生する相続のことを表す造語)

トラブルになるのは大体上記のようなケースですので、今回の見直しではあまり効果がありません。

このようなトラブルを回避するためにも、お母様がお亡くなりになる前に自宅は長男に相続させる内容の遺言書を作成、次男・三男の遺留分を支払う現金を準備するために保険を活用する…等の対策が必要になります。

今回のような制度見直しが、泥沼の争続を回避するための事前対策に多くの方が興味を持つキッカケになればと思います。

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